家を建てるために土地探しを始めたばかりの方にとって、「どんな土地を選べば理想の家が建てられるのか」は最初の大きな悩みです。
価格や立地の良さだけで判断してしまうと、建てる段階で追加費用がかかってしまったり、思い描いた間取りが実現できないケースもあります。
土地選びは“その土地にどんな家が建てられるか”をイメージしながら進めることが重要です。初めての土地探しでも判断しやすいように、必ず確認したい11のポイントを分かりやすく解説します。

土地の選び方で押さえておきたいポイント
ポイント1:水道
引き込みがない土地は、道路からの延長工事が必要になる場合があります。
工事費用が数十万円単位でかかることもあるため、事前に水道メーターの有無と口径(13mm/20mmなど)を確認しましょう。
生活の快適さに直結するため、必ず現地と役所で確認しておきたい項目です。
ポイント2:ガス
都市ガスかプロパンガスかでランニングコストが変わります。
都市ガスが来ていない地域ではプロパンガスになるため、光熱費のイメージも事前に持っておくことが大切です。
また、将来的にオール電化住宅にする予定があるかどうかも、この段階で考えておくと土地選びの判断材料になります。
ポイント3:排水
下水道エリアか浄化槽エリアかは要チェックです。
浄化槽は設置費と定期メンテナンス費が必要になるため、土地価格が安くても維持費が高くなる場合があります。
地域によって異なりますが、浄化槽の工事には補助金制度もあるため活用すると良いでしょう。
ポイント4:高低差
道路と敷地に高低差があると、擁壁工事や階段・スロープが必要になり、コストが大きく変動します。
見た目には分かりにくくても、実は安全基準を満たしていない古い擁壁があるケースもあるため、専門家のチェックを受けると良いでしょう。
ベビーカーや自転車の出し入れ、将来のバリアフリーにも関わる重要なポイントです。
ポイント5:敷地形状
敷地形状は間取りの自由度に直結するため重要なポイントです。
代表的な形状の特徴を見てみましょう。
東南角地
二方向が道路に面しているため、日当たり・風通し・開放感に優れています。その分人気が高く、周辺相場より価格は高めです。
外からの視線が入りやすいため、フェンスや植栽計画も重要になります。

南面道路
南側から安定して光を取り入れやすく、リビングや庭の配置に向いています。ただし、人通りや車通りが多い場合は、プライバシー対策として窓の高さや位置に工夫が必要です。

北面道路
一見すると不利に見られがちですが、建物を北側に寄せることで南側に広い庭や開口部を確保しやすいメリットがあります。
採光計画がしやすく、落ち着いた住環境をつくりやすいのが特徴です。

延長敷地(旗竿地)
延長敷地は、価格が抑えられる反面、日当たり・風通し・車の出し入れに工夫が必要です。
道路からの視線が遮られやすく、静かな住環境を確保しやすいというメリットもあります。

変形地
土地区画整理地以外の地域は変形地の方が多く、価格が手頃なケースが多いです。
三角形・五角形などの土地は敬遠されがちですが、設計の工夫次第でオンリーワンの住まいを実現できます。
土地価格が割安な反面、建築コストが上がることもあるため、設計力のある会社との相性が重要になります。

ポイント6:周辺状況
近隣の家の高さや窓の位置、騒音、交通量などを確認しましょう。
朝・昼・夜、平日・休日で環境が変わるため、複数回の現地確認が安心です。
物件案内だけでは判断できないため、決める前に何度か現地に行って周辺状況を確認することをおすすめします。
ポイント7:建築条件
「建築条件付き土地」とは、一定期間内に指定された建築会社と請負契約を結ぶことが条件となっている土地です。
プランの自由度、価格の透明性、仕様のグレードなどを事前に確認しておかないと「思っていた家づくりができない」というトラブルにつながることがあります。
ポイント8:学区
子育て世帯にとって、学区は土地選びの大きな判断基準。
「どの学校に通うか」だけでなく、通学路の安全性もチェックするようにしましょう。
歩道の広さ、踏切や大きな交差点の有無、夜間の明るさなど、実際に歩いて確認するとより安心です。
ポイント9:周辺環境
スーパー・病院・公園・駅など、生活の利便性は長く暮らすほど重要になります。
買い物や通勤の動線がストレスにならないか考えてみましょう。
ポイント10:用途地域
用途地域によって、建てられる建物の種類・高さ・建ぺい率・容積率が定められています。
将来的に近隣に商業施設やマンションが建てられる可能性がある地域かどうかも確認しておくと安心です。
ポイント11:道路
道路の幅や交通量は住み心地に直結するため、建築計画時に必ず確認するようにしましょう。
道路幅が4m未満で未整備のままとなっているエリアは、セットバックが必要になります。
セットバックとは、道路幅を確保するために敷地を後退させ、4m幅以上の道路を確保することです。
例えば、道路幅が3mの場合、道路の中心から2m後退させなければなりません。

相場よりも安い土地を購入したものの「セットバックが必要な土地だったため、建てられる面積が小さくなってしまった」と後悔しないために事前に知っておくと良いでしょう。
接道による配置のメリット
土地がどの方角の道路に接しているかは、採光・間取り・プライバシー・外構計画に大きく関わります。
「南向きが正解」と思われがちですが、実際にはご家族の生活スタイルや快適性を考えて選ぶと良いでしょう。
北向き
メリット
- 建物を北側に寄せることで、南側に広い庭やリビングを配置しやすい
- 南面に大きな窓を設けやすく、安定した日当たりを確保できる
- 道路側からの視線が入りにくく、プライバシーを守りやすい
- 外観デザインがすっきりまとまりやすい
デメリット
- 玄関やアプローチが日陰になりやすく、冬場は寒く感じやすい
- 雪や雨の日は路面が乾きにくい
- 北側斜線制限など、法規制を考慮した設計が必要な場合がある

南向き
メリット
- 日当たりが良く、明るいリビングをつくりやすい
- 洗濯物が乾きやすく、冬でも室内が暖かい
- 一般的に人気が高く、資産価値が下がりにくい
デメリット
- 道路から室内が見えやすく、プライバシー確保が課題
- カーテンを閉めがちになり、せっかくの採光を活かせないケースも
- 夏場は日差しが強く、室温が上がりやすい

西向き
メリット
- 午後から夕方にかけて日差しが入り、冬は暖かい
- 朝は直射日光が入りにくく、寝室配置によっては快適
- 南向きに比べて土地価格が抑えられる場合がある
デメリット
- 夏の西日は非常に強く、室温上昇やまぶしさの原因になる
- 遮熱対策(庇・外付けブラインド・ガラス選定)が必須
- リビング配置によっては夕方の眩しさがストレスになる

東向き
メリット
- 朝日が入りやすく、気持ちの良い朝を迎えられる
- 午前中にリビングが明るく、在宅時間が長い家庭に向く
- 夏の夕方は直射日光が入りにくく、比較的涼しい
デメリット
- 午後以降は日陰になりやすく、冬場は冷えやすい
- 洗濯物が乾きにくい時間帯がある
- 日中不在が多い家庭では採光を活かしきれない場合も

土地の向きだけで判断せず、「この土地でどんな間取りができるか」まで一緒に考えることが、後悔しない土地選びにつながります。
お客様の条件に合わせた土地探しとプランのご提案
土地探しは“暮らしやすい家を建てられる土地”を選ぶことが大切です。設計の工夫次第で居心地や使い勝手が大きく変わります。
アイフルホーム大阪大東店では、お客様の希望条件や生活スタイルに合わせて、土地探しと間取りなどのプランをご提案いたします。
これから土地探しを始める方も、すでに候補の土地がある方も、お気軽にご相談ください。